高精度流量計による見える化で25%の使途不明蒸気を特定

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製薬会社/日本

目的:既存渦流量計の老朽更新

ソリューション:管理強化のため場内で使用している可変オリフィス式蒸気流量計ILVAを提案

成果:計測可能な下限流量が大幅に改善、本来の蒸気消費を可視化。25%の使途不明蒸気の特定と共に、省エネルギーのポテンシャルを確認

課題

既設の蒸気流量計は渦式を使用しており、設置から15年以上が経過のため更新を計画。更新は単なる流量検出ではなく、実負荷を正確に把握し管理ツールとして活用するため、従来の流量計に比べて幅広い測定範囲と精度を持つ流量計への更新を検討。

JPL-23-001_CaseStudies - Pharma01_HR-1 のコピー.jpg

ソリューション

従来の渦式から可変オリフィス式のILVA型蒸気流量計を採用。

レンジアビリティ(測定範囲)が20︓1から100︓1へと向上、計測可能な下限流量が240㎏/hから24kg/hに大幅に改善。

ILVA_透明 のコピー.jpg

成果

これまで把握ができていなかった25%の使途不明蒸気を特定。

メインのプロセス停止時に常時200~250kg/h程度蒸気を消費していることを確認。

改善ポイントとして省エネルギーのポテンシャルを確認。

コメント_アートボード 1.png

流量計比較

JPL-23-001_CaseStudies - Pharma01_HR-2.jpg

更新後の状況

下図はクリックで拡大します。JPL-23-001_CaseStudies - Pharma01_HR-2a.jpg

【蒸気流量計更新後の考察】

25%の使途不明蒸気

メインプロセスがバッチ運転の為、メインプロセス待機時の流量は、運転時の1/10 程度。渦式流量計の下限流量を下回るケースが見られた。また渦式流量計における未計測流量を積算した結果、累積誤差は2,280kg/ 日となり、全体の約25%を締めた。 
* 累積誤差2,280kg/ 日÷全体8,982kg/ 日= 0.253 ≒ 25.3%


放熱抑制による省エネルギーの可能性

メインプロセスは、日中の間に稼働しており、その他の時間は空調機、製品保温等の低圧プロセスが稼働。
低圧プロセス稼働時のみ、蒸気主管を0.8MPaG から0.2MPaG に減圧することで配管の放熱ロスを抑制し約40% 分の放熱蒸気量削減による省エネルギーの可能性あり。

こちらのケーススタディは下記よりダウンロードが可能です!

まとめ

プロセスの完全な制御は精密に測定することから始まります。

生産性、効率性、持続可能性を高めるため、プロセス監査からプログラムの最適化までスパイラックス・サーコはトータルでサポートが可能です。

流量をどの程度正確に測定できるか、スパイラックス・サーコにご相談ください

スパイラックス・サーコの流量計

※ILVA型可変オリフィス式流量計は製品前後のエンジニアリングが必要です。詳細はお問い合わせより連絡いただくか、担当営業までご連絡ください。

関連Blog

流量計測タイトル.jpg流量計測

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Webinar

17B_流量計.png

2022年に開催しました蒸気の見える化と活用法のWebinarです。

興味がございましたらぜひお問い合わせください!

CO2 削減に対する意識はこれまで以上に高まっています。蒸気の省エネを推進するにあたりその指標となる計測は必要不可欠です。今回のウェビナーでは蒸気の見える化と活用法と題し、蒸気の見える化の必要性、流量計測のポイント、計測データの活用法についてご紹介致します。
【主な内容】
・蒸気の見える化とは
・流量計測でわかること
・流量計測のポイント
・計測データの活用事例

ドレンマネジメント

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プロセス二次側での省エネはドレンマネージメントが効果的です。

効果的なドレンマネージメントを行うことにより、オペレーティングコストは削減できます。

ドレンは貴重な資源であり少量の回収でも経済的観点から多くの場合で有意義です。1 個のスチームトラップからの排水でもたいていは回収する価値があります。

もしボイラ給水温度を6℃上昇させることができたならば、約1%の省エネが実現されると言われています。

スパイラックス・サーコではプロセスの二次側での省エネ機器を取り揃えております。二次側での省エネはドレン回収と廃熱回収です。

JPL-22-02_is2_202212-2.png

JPL-22-02_is2_202212-2a.png

*1:0.7MPaの蒸気を作るのに必要なエネルギー(2769.1kj/kg)から補給水温度15℃の保有エネルギー(62.85kj/kg)を引いた2706.25kj/kgがガスによって作られるエネルギーで約97.7%です。

*2:25%の回収はこの図において721.4kj/kgがWater Tankに戻ることを意味し、これは2769.1kj/kgの約26%です。そのためガスで新たに作るエネルギーは約74%で済みます。

ドレン回収は、どうしてコスト削減になるのでしょう?

JPL-22-02_is2_202212-Icon1.png ●燃料コストおよび水処理費用削減
スチームトラップから出たドレンは蒸気の全エネルギーの約20%の熱量を保有しています。この高温ドレンをボイラに戻すことができなければ、ボイラでは低温水から蒸気を作ることになります。補給水を要求される基準にするために化学処理が必要です。ドレンを回収することによりこの化学処理費用を削減できます。
JPL-22-02_is2_202212-Icon2.png ●水道料金削減
回収されなかったドレンの分だけ補給水が必要になるため、水道料金が追加で発生します。
JPL-22-02_is2_202212-Icon3.png ●環境への排水規制に適合
公共の下水に排出するには排水規制への適合が必要です。高温ドレンをそのまま排水することはできず処理費用が必要になります。ドレンを回収することにより、この処理費用を削減できます。
JPL-22-02_is2_202212-Icon4.png ●ボイラ給水の質
ドレンは蒸留水であり全溶解固形物(TDS)をほとんど含みません。ボイラには、ボイラ水中の溶解固形物濃度を下げるためにブローダウンが必要です。給水タンクに回収されるドレン量が多いほどブローダウンの必要性が減りその結果、ボイラからのエネルギー損失が減少します。


①廃熱を回収

EVC型ベントコンデンサー

無圧の廃蒸気・フラッシュ蒸気回収熱交換器

ベントコンデンサ_SXS.png

蒸気システムの中にある高温ドレンは大気に放出されると一部はフラッシュ蒸気となって逃げていきます。また脱気器やスチーマーなどでは白い湯気が排出されています。これらのフラッシュ蒸気あるいは排出口/ 排気ダクトから出ている「白い湯気」の存在はエネルギーの損失であり近隣の住人には環境汚染のように思われ企業イメージに影響を与えることもあります。

大気に開放された無圧の廃蒸気は主に2 種類に分類されます。

無圧の廃蒸気
製品に触れていたり空気の混入がある純粋ではない蒸気。ただし熱エネルギーを保有している。(eg. スチーマー等)

無圧のフラッシュ蒸気
無圧の状態で大気に開放されており不純物が限りなく少ない。(eg.蒸気ドレン回収タンク等の大気開放管) 熱エネルギーと水資源の回収が可能。

ベントコンデンサーは無圧のフラッシュ蒸気・廃蒸気の熱エネルギーを回収する熱交換器です。
ベントコンデンサーで廃蒸気量の8~10 倍の温水が供給可能です。省エネだけでなく、廃蒸気の量を減らす環境対策としても期待できます︕

▶▶こちらのページでさらに詳しく

ベントコンデンサー 回収できる廃蒸気 (spiraxsarco.co.jp)


②ドレンを回収

MFP14型プレッシャーポンプ

電気不要のメカニカル式ドレン回収ポンプ

MFP_透明_LR.png 可能な限りドレンをボイラに戻すことにより、エネルギーおよび保守費用の削減を手助けします。少量の回収であっても、例えば1個のスチームトラップからの排出だけであっても、重要な資源回収となります。プレッシャーポンプは大気開放用レシーバーと設置されます。(これは開放式(オープン)システムと呼ばれます。)ドレンは様々な箇所のスチームトラップから回収され、ボイラの給水タンクへ移送されます。
プレッシャーポンプは、複数のドレンが排出されるような箇所への設置が、実用的で最もよい使用方法です。

APT14型ハイブリッドプレッシャーポンプ

逆止弁機能とトラップを内蔵したハイブリッドドレン回収ポンプ

APT.png ストールを解消することによって機器の熱効率を最大にすることが可能になります。
こんな症状はありませんか?
・製品に焼きムラ、加熱不足
・ウォーターハンマー
・熱交換器が凍結でパンク
・制御弁がハンチング
・機器の寿命が短い
・熱交換器のガスケット漏れ
・配管腐食 等

これらの症状は全てストールが原因かもしれません。ストールを解消するにはプレッシャーポンプを熱交換器に設置することを推奨します。プレッシャーポンプを導入しストールを解消することによってドレンが熱交換器内に滞留しないので負荷変動に対応した加熱ムラの無い理想的な加熱が行えるばかりでなくウォーターハンマーの発生や凍結によるヒーターの破損も防止することができます。
ストールを解消しさらにドレンを回収すればコスト削減に貢献できます。
さらに詳しい情報はWebsite で確認いただけます。

▶▶こちらのページで作動原理をご覧いただけます

APT14型ハイブリッド・プレッシャーポンプ (spiraxsarco.co.jp)


③ドレンの汚染度を監視

BCR3150およびCP10 ドレン汚染検知システム

ドレン汚染検知システム.png 導電性ドレン汚染検出(CCD) の場合はCP10 型導電性プローブとBCR3150 型コントローラを選択します。ボイラに戻されるドレンの導電率を監視および表示する制御システムは汚染されたドレンを排水します。蒸気はエネルギーを伝達する非常に効率的な方法であり多くの産業プロセスに使用されます。蒸気の熱をプロセスに使用した後、残った高温ドレンは可能な限りボイラ給水タンクに戻す必要があります。
CCD システムを導入することによって得られる重要な利点:
- 節水
- ドレンの余熱を回収
- 高価な水処理薬品の節約

ドレンが少量であってもきれいであることを確認することが不可欠です。汚染の原因は泡立ち、スケーリング、または腐食を引き起こす可能性があります。継続的なドレン汚染モニタリングは、ボイラを保護し製品の品質を確保しエネルギーと水の節約を最大化することができます。

Model 556/TF56-N 濁度監視システム

濁度監視.png

TF56-N 型タービジメーターと556 型コンバーターを選択してボイラの給水システムへのドレンと補給水の非導電性汚染を監視します。スパイラックス・サーコの濁度監視システムはボイラの給水システムに非導電性の汚染物質が入るのを防ぐための正確で信頼性の高いソリューションです。このシステムは補給水とドレンが給水システムに戻るのを監視し汚染された水またはドレンを排水に迂回させてプラントの誤動作やプロセスの中断を回避するように設計されています。

たとえば統一規格EN12952 およびEN12953 はすべてのボイラを保護するための制限装置の最小要件を引用しています。濁度監視システムは油やグリースの侵入に対する「水質保護」のニーズを満たすデバイスの1 つです。濁度監視システムはボイラの給水システムに戻るドレンのオイルとグリースの汚染を継続的に監視し、規定の制限を超えた場合汚染されたドレンを自動的に排水に迂回させます。

濁度監視システムを設置することで大幅な節約が可能になります。
- 水の消費量の削減
- ドレンの余熱の回収
- 水処理薬品の使用量の削減


カタログ

こちらの内容は下記カタログでさらに詳しくご覧いただけます。

BSA型ベローシールバルブ

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脱炭素へ小さな貢献

ベローシールバルブはグランドシール部にベローズを使用しており、シール部からの蒸気漏れを完全に無くす設計になっております。

外観図.jpg

ベローシールバルブのメリット

・ 蒸気漏れがないので、余分なエネルギーロスが防げます。
・ 蒸気漏れがないので、プラントの環境・安全性を良好な  状態に維持できます。
・ グランドシール交換や増し締めが不要なので、保守・管理コストが削減されます。

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ハンドル

握りやすく、操作が軽い非昇降型のハンドルです。また中空ハンドルですのでハンドルが熱くなりません。

スロットリングプラグ

絞り機能がありますので、バイパス弁として使用する場合など、流体を一時的に絞って使用することができます。

ベローズ

当社のベローズは長い実績に裏打ちされています。チタンを含む耐久性の優れたステンレス製ベローズを採用すると同時に、ねじれ防止機構も組み合わせているので長寿命です。

参考資料:ベローシールバルブによる省エネ効果検証

◆一般的な遮断弁(グランドシール方式)の蒸気漏洩金額シミュレーショングラフ

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計算条件

■グランドシール部の隙間 :0.025(mm) グラフの金額は計算上予想される蒸気漏洩金額のみです。蒸気圧力1MPagでおよそ8万円/年の蒸気漏洩金額になります。(メンテナンスコストや機器停止に伴うコストは含まれません)
■蒸気単価 :6,000(円/ton)
■年間稼働時間 :3,000(時間/年)

ベローシールバルブはグランドシールからの蒸気漏れがなく、保守等のランニングコストも極めて少ない&ゼロ・エミッションでお客様のトータルコストの削減に貢献します。

バルブの開閉操作が楽で、ウォーターハンマーも発生しにくいとの声も頂いております。

ハンドルの軽さをこちらでご覧ください。

価格と納期につきまして

こちらよりお問い合わせください!

リーフレット

A4裏表のリーフレットをご用意しております。下記よりご覧いただけます。

蒸気タービン二次側の過熱蒸気を最適活用できるようトータルでサポート

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ゴミ焼却場では廃熱ボイラによって高圧蒸気(2MPaG以下)の蒸気でタービンを回して発電しますが、発電効率を上げるためにタービン出口は低圧蒸気0.2MPaG程度まで熱エネルギーを使います。高圧蒸気が必要なプロセスについては、タービン手前から抽気として取りだして熱交換します。(この高圧蒸気は過熱蒸気と考えられます)

タービン抽気蒸気や発電設備をもたない焼却場では過熱蒸気が存在し、その場合は減温器によって飽和に戻すことで熱交換器の効率を上げることができます。

飽和蒸気と過熱蒸気

蒸気には『飽和蒸気』や『過熱蒸気』などいくつか種類があり、産業プロセスで加熱源、動力源として使用されています。ブログ内の用語集では下記のように定義しています。

飽和蒸気:水と水蒸気のように同じ物質の液体と蒸気が熱平衡にあるときの、その蒸気を飽和蒸気とよぶ

過熱蒸気:飽和蒸気がより高温の伝熱面にさらされると、その温度が蒸発温度を越えて上昇した蒸気のこと

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過熱蒸気と飽和蒸気に関してはこちらの記事、

『過熱蒸気は使えない?』でさらに詳しく解説しています。

過熱蒸気と飽和蒸気の比較

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減温器で過熱蒸気を有効活用

スパイラックス・サーコの減温器を使用すれば、使い道のない過熱蒸気をプロセスにも使える飽和蒸気に近い状態まで制御する事ができます。

(飽和蒸気温度 +3 ~ 5℃の範囲)

また過熱蒸気発生量の変動に対してもスパイラックス・サーコでは様々なタイプの減温器を用意しており、お客様の現場それぞれに合わせてカスタマイズ設計した製品で対応しております。

Desuperheater_02.jpg

ケーススタディ 

【蒸気タービン二次側の過熱蒸気を最適活用できるようトータルでサポート】

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ゴミ焼却施設におけるタービン抽気の減温減圧および温水製造でのケーススタディをご紹介します。

◆顧客課題

過熱蒸気を飽和蒸気の混在するシステムを正しく設計する

◆ご提案内容

温水製造の効率化と蒸気システム全体の省エネルギー化を各ポイントで最適化されるように減温システムを導入する。過熱蒸気と飽和蒸気の特性に合わせてプロセスに合わせた最適化設計。

JPL-23-002_CaseStudies - 減温器-2.png

◆成果

過熱蒸気と飽和蒸気の特性に合わせた最適なシステムをトータルでサポート。最適化設計により各機器、送気ライン、各熱交換器の小型化。トラブルの低減。

◆コメント

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製品カタログ

減温減圧システム プレート式蒸気温水製造ユニットEasiHeat

お問い合わせ

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STS17.2型スチームトラップ・ステーション

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Case Study

スチームトラップステーションを導入。バイパスラインが無くなりコンパクトになりました。
既存:950 x 370 =351,500 mm2
新設:520 x 230 =119,600 mm2  約1/3のスペースになりました。

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Video

ドキュメント

関連ブログ

ぜひこちらもご覧ください!

スチームトラップとは のコピー.jpg スチームトラップの種類 のコピー.jpg スチームトラップsennteiji のコピー.jpg

サーモコンプレッサーCaseStudy

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蒸気の省エネを検討する際に『フラッシュ蒸気回収』という言葉を聞いたことありますか?

このフラッシュ蒸気の回収は思いのほか難しいことがあります。詳しくはこちらで解説しています。

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低圧蒸気を再圧縮して回収、利用するサーモコンプレッサーをご紹介しましたが、サーモコンプレッサーのケーススタディを2件ご紹介します!

1.集合ドレンのフラッシュ蒸気回収

◆顧客課題

複数の低、中圧ドレンを集合させて回収のみ行っていた。ドレン回収タンクからは湯気が常に出ており、環境面、経済面において改善が望まれていた。

◆ご提案内容

0.05MPa 程度のほぼ大気圧状態でフラッシュ蒸気回収を実施しました。また、後段に1.0MPa の蒸気を混合させることによって、0.3MPa の蒸気を0.3MPa 蒸気ラインに供給します。もともとの0.3MPa 主蒸気配管に接続することで、ほぼ連続的にすべてのフラッシュ蒸気を利用可能になります。これにより年間 約350 万円のフラッシュ蒸気の回収に成功しました。

SteamLReader vol.14-CS01.png

2.過熱蒸気の混合と減温システム

◆顧客課題

発電施設において低圧の抽出蒸気があるが、低圧蒸気は工場側では使用用途が限られており、余ってしまう。余った低圧蒸気は大気に放蒸しなければならないが、エネルギーロスが大きい。

◆ご提案内容

0.3MPa の低圧蒸気を、2.0MPa の高圧蒸気と混合させることにより、0.8MPa の中圧蒸気を供給します。また、工場での利用は飽和蒸気になるためサーモコンプレッサーの二次側で減圧減温システムを組み込み、安定した中圧蒸気を工場に供給します。低圧蒸気の再圧縮により、中圧蒸気の 約16% が供給可能になるシステムを構築しました。

SteamLReader vol.14-CS02.png

製品カタログ

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フラッシュ蒸気の再利用方法

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工場の煙突や配管の先から、もやもやしたものが立ち上がっていませんか?

白い蒸気の正体は蒸気漏れではなくフラッシュ蒸気かもしれません。フラッシュ蒸気についてはこちらの記事をご覧ください。

ブログタイトルD_フラッシュ蒸気第1回.jpg ブログタイトルD_フラッシュ蒸気第2回.jpg

今回は実際にフラッシュ蒸気を回収したCaseStudyを2つご紹介します。

CaseStudy1-1.png

製紙会社におけるフラッシュ蒸気の回収

きっかけ

ご提案

◆ドレンタンクの大気開放管から放出されるフラッシュ蒸気が気になっていた。
◆燃料費の高騰により省エネできる方法を模索していた。
生産の安定性を測りながら同時にフラッシュ蒸気を回収し、熱エネルギーの削減できるユニットを工事費も削減できるパッケージでご提案しました。

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お客様のコメント

大気開放管から放出されるフラッシュ蒸気が1/3程度になりました。約1年でペイアウトできるのでありがたいです。

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食品会社におけるフラッシュ蒸気の回収

きっかけ

ご提案

◆ボイラ給水タンクからの蒸気漏れが気になっていた。
◆製品と接した蒸気のドレンを有効使用できないか。
給水タンクからのフラッシュ蒸気はプロセスに再利用しました。また、製品と接したドレンは廃熱回収システムを可能な限り工事も簡単なパッケージでご提案しました。

CaseStudy2-2.png

お客様のコメント

燃料費が4%削減できている。試算頂いた通りの結果でとても満足しています。

フラッシュタンク

フラッシュタンクにつきましたはこちらをご覧ください。詳細はこちらよりお問い合わせください。

無圧の廃蒸気、無圧フラッシュ蒸気の回収につきましてはこちらにて解説しております。

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蒸気システムにおいてドレン回収は大きな省エネ要素です。ドレンからでるフラッシュ蒸気を回収することができれば更なる省エネにつながります。

お問い合わせは上部『お問い合わせ』よりお願いいたします。

お役立ちリンク集

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蒸気に関するお役立ちリンク集をご用意しました。蒸気に関連する分からない事、困り事、ヘルプやヒントが欲しい時など、お気軽にスパイラックス・サーコにご連絡ください!

用語集

ブログタイトルD_用語集リスト.png

蒸気に関する用語、聞きなれない単語も多いですよね。わからない単語がありましたらこちらのページで確認いただけます。

1番検索されている用語は"エンタルピー"です。

わかりづらい用語のリクエストも受付中!

蒸気の計算ツール

Dry Saturated のコピー.png

蒸気表があると便利ですけど常に手元にない場合が多いと思います。こちらのページで必要な数値をすぐに確認できます。

サイトは英語のみ。アプリは日本語で使用できます。

蒸気表 - sxs.pdf

配管サイズの計算ツール

Calculator for Sizing New Pipes.png 最適な配管サイズも計算できます。

アプリ

IPhone用

APP-アップルSXS.png 蒸気の計算ツールがアプリになりました。IPhone用とアンドロイド用のご用意がありますので、それぞれダウンロードお願いします。(無料)
アンドロイド用 APP-アンドロイドSXS.png

セミナー

ブログタイトル_セミナーオンライン_アートボード 1.png

蒸気の初心者向けに開催しているEntryコースはオンラインでも受講が可能です。

修了テストもありますので理解度チェックも可能です。

Blog

Blog.png 実験動画(SteamLab)や機器の作動原理アニメーション、季刊誌の内容よりピックアップした内容など様々なコンテンツをご案内しております。

SteamLeader

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季刊誌を発行しています。蒸気の専門家であるスパイラックス・サーコだからこそ提供できる蒸気に関するコンテンツをお届けします。

とくに特集は読みごたえのある内容になっております。

ご登録、バックナンバーはこちらからご覧いただけます。

スパイラックス・サーコとは

スパイラックス・サーコはイギリスのチェルトナムに本社を構え日本支社は1973 年に設立しました。以来50 年に渡り蒸気システムエンジニアリング会社としてお客様へのサービスに務めています。
当社は専門知識に基づくソリューションを提供するグローバル・リーダーであり、蒸気を使用する各種設備を効率的にお使いいただくための設計、メンテナンス、運転を提案しています。
グローバル・ネットワーク、専門知識、高い技術力、幅広い製品とサービスにより、産業の枠を超えた幅広い分野で環境にやさしくかつユニークな蒸気のソリューションを提供して参ります。
当社では全てのセールスエンジニアに蒸気エンジニアリングのトレーニングを継続して行います。世界59 カ所にある当社の研修センターでは、その多くに実際に蒸気が流れるプロセスを再現し実践的知識を社員に教育しています。

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こちらから会社案内をご覧いただけます。




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スチームトラップとして必要な機能

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蒸気に関するWebマガジン No.91

スチームトラップは蒸気の凝縮水(ドレン)を排出する自動弁で、

(1) ドレン量の変動に対応できる十分なレンジャビリティーを持ちドレンが少ない場合でも蒸気漏れを起こさないこと
(2) 本体内に高圧高温水が流れるため放熱によるエネルギー損失が大きいので、トラップ本体はできるだけコンパクトなこと
(3) 始動時に装置や配管内に充満し、加熱時は熱抵抗となって熱交換を妨げる非凝縮性ガスを迅速に排出する機能を持つこと


以上3点がスチームトラップとして必要とされる機能です。

これら3つの機能を比較的良く備えたトラップはバランスプレッシャー式トラップです。バランスプレッシャー式トラップは本体がさらにコンパクトで、放熱ロスが極めて少なく設計されたトラップです。また自動空気抜き弁としてこのバランスプレッシャー式トラップを内蔵したフロート式トラップは、ドレンを連続的に排出できることと合わせて極めて高性能なトラップと云えるがトラップ本体がどうしても大きくなり、その分放熱ロスが増加するので保温されることが望ましいといえます。バケット式トラップはフロート式に比べフェール・オープンという利点を持つが、本体が大きく空気排出能力に乏しいので、加熱装置に使用する場合には空気抜き能力に優れたバランスプレッシャー式トラップと併設する事が必要となるのでフロートと比べてどうしてもコストアップになりやすくなります。
ドレンの再蒸発(フラッシュ)蒸気で閉弁するディスク式トラップは、蒸気漏れがなくまた本体がコンパクトなので放熱ロスが少ないが、ドレン排出が断続的なので連続的にドレンを排出することが必要な熱交換器に最適とは云えないのです。個々のトラップの放熱ロス比較については表1を参照してください。

No.88_2.png

測定条件:蒸気圧力1.0MPag, 蒸気単価 2.5円/kg, 稼働時間 8,000時間/年
※放熱係数:ディスク式トラップの放熱量を1とした場合の倍数

固定オリフィス式は負荷変動に対応できる自動弁機構が無いので、負荷変動が少ない24時間稼働のラインにおいて使用できる可能性はあるが空気排出能力が乏しいので、始動時間が長くなったり加熱装置に使用すると熱効率が低下するリスクがあります。

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適正なトラップの選定は、その用途や使用する装置あるいは設置箇所、蒸気圧力などによって異なりますが、参考のため一般的な用途に推奨されるトラップを表2に示します。

No.88_3.png

省エネルギーのポイント

スチームトラップは表1のように高圧高温水が本体内を流れるのでトラップ本体からの放熱による熱損失が大きい。したがって省エネルギーの観点からは蒸気主管まわりのトラップとしては、蒸気漏れが無くよりコンパクトなディスク式を選定することが望ましいといえます。

ただ一般的に使用されているディスク式トラップは少量の蒸気を漏らしながら閉弁するので生蒸気の損失が1.0~1.5kg/h程度あると説明しているメーカーもあります。ですが当社のディスク式トラップはISOのテスト結果でも直前の配管内に水封を維持することによって、蒸気漏れがほとんど無く放熱ロスも少ないことから比較的省エネルギー性が高いトラップとして報告されています。

(※参考文献:ISO7841)

スチームトラップマネジメント 第3回

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蒸気に関するWebマガジン No.90

※こちらの記事はスチームトラップマネジメント 第3回です。

第1回はこちらから、第2回はこちらからご覧ください。今回はケーススタディをご紹介します。

スチームトラップの見直しによる制御弁の故障解消

課題.png

課題︓空調機の加湿ラインの制御弁が頻繁に故障し漏水が発生していてテナントからクレームが来ていた

課題を分解していくと
▶制御弁前でのドレン除去ができておらず制御弁が浸食されていた。特に加湿ラインでは制御弁が閉弁している時間も長く溜まりやすかった
▶スチームトラップを設置するスペースが各フロアに確保できていない
▶作業スペースが限られており作業も難しい
▶高層ビルでトラップを設置する場合に騒音を気にする必要がある
▶オフィスビルであるため工事は土日しかできないため工期がかかってしまう
▶今後のメンテナンスも容易に実施できる必要がある

提案.png

提案︓スチームトラップステーションの設置による蒸気システムからのドレン除去


課題を分解すると
▶温調式トラップを設置することによって静かなドレン排出
▶ドレンポケットの設置によるドレン流入ラインの確保
▶トラップステーションの設置
▷スペースを1/3 以下に抑える
▷現場での補器類の接続作業を排除
▷工期を1/2 以下に短縮
▷メンテナンス時は配管の取り外しを行わずにトラップ交換が可能

成果.png 成果︓制御弁の漏れが解決し、将来的なリスクを抑えるため全フロアで実施し管理することでテナントへよりよい環境を提供できることができるようになった。

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スチームトラップステーション STS17.2