スチームトラップの選定時に考慮すべきポイント#01ウォーターハンマー
蒸気に関するWebマガジン No.16
スチームトラップの選定時に考慮すべきポイント
今回はスチームトラップを選定する際に考えるべきいくつかの重要なポイントは7つあります。
1.ウォーターハンマー
2.汚れ、ストレーナ
3.蒸気障害
4.グループトラッピング
5.ディフューザー
6.真空排出
7.ストール
今回はこの中から『ウォーターハンマー』について解説していきます。
◆ウォーターハンマーの可能性がある場合には
ウォーターハンマーについては、別ページで解説しています。詳しくは『蒸気配管の困った現象#01 ウォーターハンマーとは』をご覧ください。
ウォーターハンマーは次にあげるいくつかの要因によって、引き起こされることがあります。
-配管内の高速蒸気流路からドレンが除去されていない。
-アプリケーションに置いて温度制御が行われていたり、ドレンの回収ラインに立ち上がりがある。あるいはドレンを加圧システムに回収しなければならない。
-冠水、もしくはフラッシュ蒸気の絞り効果による過圧状態のいずれかにより、ドレンが過小サイズの回収ラインに流入できない、もしくはこれらのラインを流れることができない。
ウォーターハンマーの可能性がある場合には常にかなり丈夫なスチームトラップ、例えばディスク式またはバケット式を取り付けることをお勧めしています。
しかし、現在のスチームトラップは、昔と比べると頑丈で耐用寿命も延び、ウォーターハンマーへの耐性も増しています。既設のシステムにおいて、ウォーターハンマーが原因でスチームトラップが継続的に壊れるようであれば、それは恐らくスチームトラップではなく、システムのレイアウト不具合である可能性が高いと考えられます。
この場合の解決策は、十分な調査を実施し、システムの欠点を是正することによって真の問題原因を解消する必要があります。
次回は『2.汚れ、ストレーナ』について解説します。