蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
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First for Steam Solutions

無圧廃蒸気の効率利用 第2回

蒸気に関するWebマガジン No.47

蒸射殺菌工程で、製品に触れた蒸気が大気に放出されている排気

今回は、大気中に放出されている排気の中でも『蒸し殺菌工程で製品に触れた蒸気』の熱回収について紹介します。
大気に蒸射した蒸気(生蒸気)を使って『蒸し』『殺菌』『加温』する装置は、多くの産業で利用されています。例えば、「連続式スチーマー(殺菌装置)」や「バッチ式蒸箱(殺菌庫)」等、業界毎に様々な名称で呼ばれています。

ただし、これらの装置から多量の排気が大気中に放出されると、エネルギー損失と環境的見地から問題アリなのです。
ですが、これらの排熱回収は手を付けることが難しかった事も事実です。こんな問題が立ち塞がっていました。

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「蒸し器」と云われる装置が日本や中国等のアジア圏に圧倒的に多いのは、皆も想像がつくと思います。つまり、この熱回収技術はアジアに住む我々で開発する必要がありました。スパイラックス・サーコジャパンでは、排気量の定量化や排気温度の測定等を実施した
上で、この無圧排蒸気の回収に取り組んできています。今回は、その実施例を紹介します。

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また、更なる省エネとして、排熱の再利用についても触れておきます。

スチーマー等では生蒸気を使用するから、ボイラに回収するドレンはありません。ドレンの再利用ができないということは、多くの工場では、ボイラ給水温度は常温のままということになります。
そこで、この排熱でボイラ給水を加温することができれば、6℃毎に約1% とボイラの燃料費を節減することができるぞ。一般的には80℃まで加温が望めるので、約10%の省エネが実現できる可能性があります。つまり、無圧排蒸気を回収することで、工場からの排気を減少させると同時に10%の省エネを実現できる可能性があります!
もちろん、スチーマーの近くに温水タンクがあり、十分排熱量を消費するだけの温水量があれば、ボイラ給水を加温する必要はありません。
前回も触れておるが、排蒸気からは約10 倍の温水が製造できます。だから効率的に排熱回収をしたいとなれば、慎重にヒートバランスを検討しなければいけません。
スパイラックス・サーコでは、効率的な無圧排蒸気の回収を、下記のお手伝いをさせていただきながら、ご提案しております。

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ベントコンデンサー 回収できる廃蒸気のページはこちらからご覧ください。

次回は蒸気の見える化の落とし穴 第1回です。