スチームトラップとは
蒸気に関するWebマガジン No.6
スチームトラップって、何?
一度蒸気システムを見たことのある方でしたら必ずスチームトラップを見たことがあることでしょう。蒸気システムにスチームトラップは不可欠ですが、そもそもスチームトラップにはどのような役割があるのでしょう。
蒸気が冷えて(凝縮して)ドレンになると、蒸気配管内や装置内には、蒸気とドレンが混在した状態になります。このドレンを排除するために、最下点に穴をあけておけば、ドレンは排出されますが、蒸気も一緒に出て行くためロスが生じます。
ドレンは排出して蒸気は逃さないための機器、それがスチームトラップです。
◆スチームトラップの役目
①効率的なドレンの排出
→装置内にドレンが溜まると熱伝達面積が減少し効率が悪くなります。またドレンが配管/装置内に滞留するとさまざまな題が出てくるため排出が必要です。
②効率的な空気の排出
→システムの起動時、配管内には空気が溜まっています。空気を排出しなければ、熱伝達が低下し始動に時間がかかります。
③蒸気は可能な限り漏らさない
→ドレンポケットや手動弁でもドレンは排出可能ですが、蒸気が漏れてしまいます。
◆スチームトラップの重要性
スチームトラップは単体として選定されることが多いのですが、システム全体に影響をあたえる重要な機器です。
弁の摩耗や裂傷、漏れ、設備の出力低下などはスチームトラッッピングに正しく注意を払っていれば改善可能であることも多いのです。
スチームトラップは真空から10MPaをゆうに超える圧力まで、広い圧力範囲において稼働することができます。様々な条件に適応するため、多種のトラップが製造されており、それぞれにメリット、デメリットがあります。どんな条件下にも万能なスチームトラップはありません。すなわち、正しいトラップを選定する必要があるということです。
ではスチームトラップにはどのような種類があるか詳しく見ていきましょう。
スチームトラップの種類-機械式 | スチームトラップの種類-熱力学式 |
アプリケーション毎の最適なスチームトラップを選定するにはこちらで解説しています。