スチームトラップの種類ー温調式
蒸気に関するWebマガジン No.119
スチームトラップの基本的な目的はドレンを排出し、蒸気は漏らさない事です。
スチームトラップ内部に他の動力はなくなぜ排出できるのか?それは蒸気配管側や装置の圧力と、スチームトラップ二次側のドレン配管の圧力との差、差圧を使用しているからです。
そのためスチームトラップ二次側配管が立ち上がっていても、蒸気側の圧力が十分にあればドレンを排出することが可能です。
スチームトラップの種類
スチームトラップは温調式、機械式、熱力学式の3つに分けられます。
用途別スチームトラップチャート
今回はこの中の温調式スチームトラップの動作、メリット/デメリットについて解説します。
温調式スチームトラップ
温調式スチームトラップは流体の温度変化によって動作します。
飽和蒸気の温度は圧力によって決まります。蒸気スペースでは、蒸気が蒸発エンタルピー(熱)を排出することにより、蒸気温度のドレンが形成されます。さらに熱が失われることによって、結果的にドレンの温度が下がります。このタイプのスチームトラップは、この温度低下を感知してドレンを通過させます。蒸気がトラップに到達すると、温度が上がりトラップが閉まります。
バランスプレッシャー式の作動
メリット | デメリット |
小さく軽量で、サイズの割に容量が大きい 始動時に完全開弁し、空気を排出し、最大のドレン排出容量を確保できる トラップのメンテナンスが容易 凍結の心配が少ない |
腐食性ドレンやウォーターハンマーによる破損に弱い傾向がある(ベローズが内蔵されているトラップのみ) 飽和温度以下まで下がらないと開弁しないため、蒸気スペースからの迅速な排出はできない |
その他のスチームトラップの作動
機械式と熱力学式については下記ページにて順次解説いたします。ぜひこちらもご覧ください。
カタログはこちらをご覧ください。