蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
First for Steam Solutions

スチームトラップの種類ー温調式

蒸気に関するWebマガジン No.119

gst_33aw.png

スチームトラップの基本的な目的はドレンを排出し、蒸気は漏らさない事です。

スチームトラップ内部に他の動力はなくなぜ排出できるのか?それは蒸気配管側や装置の圧力と、スチームトラップ二次側のドレン配管の圧力との差、差圧を使用しているからです。

トラップ差圧.gif

そのためスチームトラップ二次側配管が立ち上がっていても、蒸気側の圧力が十分にあればドレンを排出することが可能です。

スチームトラップの種類

スチームトラップは温調式、機械式、熱力学式の3つに分けられます。

TrapType_LR.png

用途別スチームトラップチャート

トラップチャート_スチームトラップOverview800.png

今回はこの中の温調式スチームトラップの動作、メリット/デメリットについて解説します。

温調式スチームトラップ

温調式スチームトラップは流体の温度変化によって動作します。

飽和蒸気の温度は圧力によって決まります。蒸気スペースでは、蒸気が蒸発エンタルピー(熱)を排出することにより、蒸気温度のドレンが形成されます。さらに熱が失われることによって、結果的にドレンの温度が下がります。このタイプのスチームトラップは、この温度低下を感知してドレンを通過させます。蒸気がトラップに到達すると、温度が上がりトラップが閉まります。

液体膨張式 バランスプレッシャー式 バイメタル式
Temperature adjustment_sxs01.jpg HR00386.jpg Temperature adjustment_sxs03.jpg
これはもっとも単純な温調式トラップの一種です。加熱された油入エレメントが膨張し、ドレンの流出をストップします。 バランスプレッシャー式スチームトラップは沸点が水より低くなるようにエーテル(特殊な液体と水の混合物)を入れたカプセルが周りの蒸気圧によって作動します。 2枚の異種金属片を一つのエレメントに溶接したバイメタル式エレメントが温度に反応してドレンの流出をストップします。
Temperature adjustment_sxs04.jpg Temperature adjustment_sxs05.jpg Temperature adjustment_sxs06LR.png

バランスプレッシャー式の作動

メリット デメリット

小さく軽量で、サイズの割に容量が大きい

始動時に完全開弁し、空気を排出し、最大のドレン排出容量を確保できる

トラップのメンテナンスが容易

凍結の心配が少ない

腐食性ドレンやウォーターハンマーによる破損に弱い傾向がある(ベローズが内蔵されているトラップのみ)

飽和温度以下まで下がらないと開弁しないため、蒸気スペースからの迅速な排出はできない

その他のスチームトラップの作動

機械式と熱力学式については下記ページにて順次解説いたします。ぜひこちらもご覧ください。

スチームトラップの種類 機械式(フロート式、バケット式)

スチームトラップの種類 熱力学式(ディスク式など)

カタログはこちらをご覧ください。