スチームトラップの種類#02 機械式
蒸気に関するWebマガジン No.8
スチームトラップは温調式、機械式、熱力学式の3つに分けられます。
今回はこの中の機械式スチームトラップの動作、メリット/デメリットについて解説します。
◆機械式スチームトラップ
機械式スチームトラップは、蒸気とドレンの密度差を感知することで動作します。
機械式スチームトラップには2種類あります。
-ボールフロート式
-逆バケット式
◆ボールフロート式
ボールフロート式では、ドレンが存在するとボールが上がり、バルブが開いて高密度のドレンを通過させます。古いタイプのボールフロート式では、手動式の空気抜きが行われていたが、現代のトラップでは温調式のエアベントが使用され、初期空気を通過させながら、トラップでドレン排出にも対応することができます。
メリット |
デメリット |
蒸気温度のドレンを連続排出できる。 |
凍結による破損の可能性がある。 |
大小のドレン負荷にも等しく対応することができ、広範囲にわたる急激な圧力や流量変動に影響されない。 |
多様な圧力範囲で動作させるためには、異なる内部部品が必要となる。高差圧で動作させる場合、オリフィスを小さくしフロートの浮力とのバランスを維持する必要がある。 |
口径に比べて大容量。 |
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ウォーターハンマーへの耐性が高い。 |
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空気障害解消装置付きが選べる。 |
◆逆バケット式
逆バケット式は、蒸気がトラップに到達すると、さかさまになったバケットが浮き上がり上昇して、バルブを閉じます。バケットの上部にはベント穴が開いており、これは蒸気と空気を排出させる上で必要不可欠です。
メリット |
デメリット |
高圧に耐えられる。 |
バケット最上部の穴径が小さいため、空気を極めて緩慢にしか排出できない。 |
ウォーターハンマーへの耐性が高い。 |
凍結による破損の可能性がある。 |
入口に逆止弁を追加すれば過熱蒸気ラインにも使用可能。 |
圧力変動が予想されるラインには逆止弁が必要。 |
故障時には通常開。従って例えばタービンからの排出など、この機能を必要とする用途に置いては安全性の向上となる。 |
バケット下部に水封が必要。水封が失われると無駄に蒸気が排出されてしまう可能性がある。 |
スチームトラップの種類、機械式はいかがでしょうか。下記のページで温調式と熱力学式について説明しています。ぜひこちらもご覧ください。
スチームトラップの種類 温調式(バランスプレッシャー式、バイメタル式)
スチームトラップの種類 熱力学式(ディスク式など)