スチームトラップの選定時に考慮すべきポイント#02汚れ・ストレーナ
蒸気に関するWebマガジン No.17
どんな種類のスチームトラップでも、システムに取り付けることは可能です*が、特定の用途に適した最良のトラップを選ぶことが必要です。(*その運転条件がトラップの圧力範囲とドレン排出能力の中に納まることを条件とする)
今回はスチームトラップを選定する際に考えるべきいくつかの重要な問題のうち、『2.汚れ、ストレーナ』について解説します。
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◆配管内には蒸気とドレン以外の物が存在します。
蒸気は凝縮してドレンになりますが、時にボイラ給水の処理化合物による微量の生成物や、水中に含まれる天然鉱物を含有している可能性があります。また、設置時に発生する配管ゴミや腐食生成物についても考慮する必要があります。
◆では、どのスチームトラップが最適?
スパイラックス・サーコでお勧めしているのが温調式のバランスプレッシャー式トラップです。間欠的なブラスト動作で汚れにもっとも左右されにくいと言えます。
同じ温調式でもバイメタル式はトラップの構造上動作不良を起こしやすく、閉塞を起こすことがあります。
機械式のフロート式トラップは汚れに耐性があると言えます。比較的大きなオリフィスを低流速で通過するため、ドレン中に沈殿する汚れがトラップを通り抜けて排出されることがあります。
同じ機械式でもバケット式トラップは、バケット内のエアベント穴が汚れで塞がれるとトラップが空気障害をおこし反応が遅くなる恐れがあります。
◆そもそも汚れを取り除くには?
ストレーナの設置です。ストレーナについては、「ストレーナとは」で解説しています。
どのタイプを選択するかはシンプルです。
-システムの最高圧力に合わせてストレーナの素材を選定します。
-保護の度合いに応じてフィルタースクリーンを検討します。フィルターが細かいほど洗浄の頻度が増します。
設置コスト削減目的でストレーナを最小限にしているシステムもありますが、システム/機器の不調によるメンテナンスを考えると、はるかに低コストでメンテナンス費用削減につながります。
スパイラックス・サーコのストレーナの詳細についてはこちらからご覧ください。
次回は『3.蒸気障害』について解説します。
スチームトラップの選定時に考慮すべきポイント#01ウォーターハンマー』はこちらから。