ドレンマネジメント
プロセス二次側での省エネはドレンマネージメントが効果的です。
効果的なドレンマネージメントを行うことにより、オペレーティングコストは削減できます。
ドレンは貴重な資源であり少量の回収でも経済的観点から多くの場合で有意義です。1 個のスチームトラップからの排水でもたいていは回収する価値があります。
もしボイラ給水温度を6℃上昇させることができたならば、約1%の省エネが実現されると言われています。
スパイラックス・サーコではプロセスの二次側での省エネ機器を取り揃えております。二次側での省エネはドレン回収と廃熱回収です。
*1:0.7MPaの蒸気を作るのに必要なエネルギー(2769.1kj/kg)から補給水温度15℃の保有エネルギー(62.85kj/kg)を引いた2706.25kj/kgがガスによって作られるエネルギーで約97.7%です。
*2:25%の回収はこの図において721.4kj/kgがWater Tankに戻ることを意味し、これは2769.1kj/kgの約26%です。そのためガスで新たに作るエネルギーは約74%で済みます。
ドレン回収は、どうしてコスト削減になるのでしょう?
●燃料コストおよび水処理費用削減 スチームトラップから出たドレンは蒸気の全エネルギーの約20%の熱量を保有しています。この高温ドレンをボイラに戻すことができなければ、ボイラでは低温水から蒸気を作ることになります。補給水を要求される基準にするために化学処理が必要です。ドレンを回収することによりこの化学処理費用を削減できます。 |
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●水道料金削減 回収されなかったドレンの分だけ補給水が必要になるため、水道料金が追加で発生します。 |
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●環境への排水規制に適合 公共の下水に排出するには排水規制への適合が必要です。高温ドレンをそのまま排水することはできず処理費用が必要になります。ドレンを回収することにより、この処理費用を削減できます。 |
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●ボイラ給水の質 ドレンは蒸留水であり全溶解固形物(TDS)をほとんど含みません。ボイラには、ボイラ水中の溶解固形物濃度を下げるためにブローダウンが必要です。給水タンクに回収されるドレン量が多いほどブローダウンの必要性が減りその結果、ボイラからのエネルギー損失が減少します。 |
①廃熱を回収
EVC型ベントコンデンサー
無圧の廃蒸気・フラッシュ蒸気回収熱交換器
蒸気システムの中にある高温ドレンは大気に放出されると一部はフラッシュ蒸気となって逃げていきます。また脱気器やスチーマーなどでは白い湯気が排出されています。これらのフラッシュ蒸気あるいは排出口/ 排気ダクトから出ている「白い湯気」の存在はエネルギーの損失であり近隣の住人には環境汚染のように思われ企業イメージに影響を与えることもあります。 大気に開放された無圧の廃蒸気は主に2 種類に分類されます。 |
無圧の廃蒸気
製品に触れていたり空気の混入がある純粋ではない蒸気。ただし熱エネルギーを保有している。(eg. スチーマー等)
無圧のフラッシュ蒸気
無圧の状態で大気に開放されており不純物が限りなく少ない。(eg.蒸気ドレン回収タンク等の大気開放管) 熱エネルギーと水資源の回収が可能。
ベントコンデンサーは無圧のフラッシュ蒸気・廃蒸気の熱エネルギーを回収する熱交換器です。
ベントコンデンサーで廃蒸気量の8~10 倍の温水が供給可能です。省エネだけでなく、廃蒸気の量を減らす環境対策としても期待できます︕
▶▶こちらのページでさらに詳しく
ベントコンデンサー 回収できる廃蒸気 (spiraxsarco.co.jp)
②ドレンを回収
MFP14型プレッシャーポンプ
電気不要のメカニカル式ドレン回収ポンプ
可能な限りドレンをボイラに戻すことにより、エネルギーおよび保守費用の削減を手助けします。少量の回収であっても、例えば1個のスチームトラップからの排出だけであっても、重要な資源回収となります。プレッシャーポンプは大気開放用レシーバーと設置されます。(これは開放式(オープン)システムと呼ばれます。)ドレンは様々な箇所のスチームトラップから回収され、ボイラの給水タンクへ移送されます。 プレッシャーポンプは、複数のドレンが排出されるような箇所への設置が、実用的で最もよい使用方法です。 |
APT14型ハイブリッドプレッシャーポンプ
逆止弁機能とトラップを内蔵したハイブリッドドレン回収ポンプ
ストールを解消することによって機器の熱効率を最大にすることが可能になります。 こんな症状はありませんか? ・製品に焼きムラ、加熱不足 ・ウォーターハンマー ・熱交換器が凍結でパンク ・制御弁がハンチング ・機器の寿命が短い ・熱交換器のガスケット漏れ ・配管腐食 等 |
これらの症状は全てストールが原因かもしれません。ストールを解消するにはプレッシャーポンプを熱交換器に設置することを推奨します。プレッシャーポンプを導入しストールを解消することによってドレンが熱交換器内に滞留しないので負荷変動に対応した加熱ムラの無い理想的な加熱が行えるばかりでなくウォーターハンマーの発生や凍結によるヒーターの破損も防止することができます。
ストールを解消しさらにドレンを回収すればコスト削減に貢献できます。
さらに詳しい情報はWebsite で確認いただけます。
▶▶こちらのページで作動原理をご覧いただけます
APT14型ハイブリッド・プレッシャーポンプ (spiraxsarco.co.jp)
③ドレンの汚染度を監視
BCR3150およびCP10 ドレン汚染検知システム
導電性ドレン汚染検出(CCD) の場合はCP10 型導電性プローブとBCR3150 型コントローラを選択します。ボイラに戻されるドレンの導電率を監視および表示する制御システムは汚染されたドレンを排水します。蒸気はエネルギーを伝達する非常に効率的な方法であり多くの産業プロセスに使用されます。蒸気の熱をプロセスに使用した後、残った高温ドレンは可能な限りボイラ給水タンクに戻す必要があります。 CCD システムを導入することによって得られる重要な利点: - 節水 - ドレンの余熱を回収 - 高価な水処理薬品の節約 |
ドレンが少量であってもきれいであることを確認することが不可欠です。汚染の原因は泡立ち、スケーリング、または腐食を引き起こす可能性があります。継続的なドレン汚染モニタリングは、ボイラを保護し製品の品質を確保しエネルギーと水の節約を最大化することができます。
Model 556/TF56-N 濁度監視システム
TF56-N 型タービジメーターと556 型コンバーターを選択してボイラの給水システムへのドレンと補給水の非導電性汚染を監視します。スパイラックス・サーコの濁度監視システムはボイラの給水システムに非導電性の汚染物質が入るのを防ぐための正確で信頼性の高いソリューションです。このシステムは補給水とドレンが給水システムに戻るのを監視し汚染された水またはドレンを排水に迂回させてプラントの誤動作やプロセスの中断を回避するように設計されています。 |
たとえば統一規格EN12952 およびEN12953 はすべてのボイラを保護するための制限装置の最小要件を引用しています。濁度監視システムは油やグリースの侵入に対する「水質保護」のニーズを満たすデバイスの1 つです。濁度監視システムはボイラの給水システムに戻るドレンのオイルとグリースの汚染を継続的に監視し、規定の制限を超えた場合汚染されたドレンを自動的に排水に迂回させます。
濁度監視システムを設置することで大幅な節約が可能になります。
- 水の消費量の削減
- ドレンの余熱の回収
- 水処理薬品の使用量の削減
カタログ
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