FT14型フロート式スチームトラップ
スパイラックス・サーコのヒンジボールフロート式スチームトラップは1940年代に開発され継続的な製品改善がされています。FT14型スチームトラップは1990年の発売開始以降改善を重ねながら、既に百万台以上が製造された信頼と実績のある世界標準のヒンジボールフロート式スチームトラップであり今日でも世界中のお客様において様々な箇所でご使用いただいております。
ヒンジボールフロート式スチームトラップの用途
ヒンジボールフロート式スチームトラップは連続的にドレンを排出する必要性があるアプリケーションに使用され圧力や流量に急激な変動がある場合でも対応します。例えば常に最大の熱伝達が必要な場合はドレンを即座にプラントから除去しなければなりません。熱伝達面に余分なドレンが存在すると、効率が低下し最大定格に達しないばかりか耐用年数も短くなるケースもあります。

FT14型には材質や接続、設計定格などによりいくつかバリエーションがあります。製品レンジを纏めました。

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作動原理などはこちらで確認できます
スチームトラップの種類 -機械式-
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技術仕様書、取扱説明書はメンバーズサイトにて
ダウンロードできます
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Case Study
スチームトラップステーションを導入。バイパスラインが無くなりコンパクトになりました。
既存:950 x 370 =351,500 mm2
新設:520 x 230 =119,600 mm2 約1/3のスペースになりました。


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蒸気に関するWebマガジン No.91
スチームトラップは蒸気の凝縮水(ドレン)を排出する自動弁で、
(1) |
ドレン量の変動に対応できる十分なレンジャビリティーを持ちドレンが少ない場合でも蒸気漏れを起こさないこと |
(2) |
本体内に高圧高温水が流れるため放熱によるエネルギー損失が大きいので、トラップ本体はできるだけコンパクトなこと |
(3) |
始動時に装置や配管内に充満し、加熱時は熱抵抗となって熱交換を妨げる非凝縮性ガスを迅速に排出する機能を持つこと |
以上3点がスチームトラップとして必要とされる機能です。
これら3つの機能を比較的良く備えたトラップはバランスプレッシャー式トラップです。バランスプレッシャー式トラップは本体がさらにコンパクトで、放熱ロスが極めて少なく設計されたトラップです。また自動空気抜き弁としてこのバランスプレッシャー式トラップを内蔵したフロート式トラップは、ドレンを連続的に排出できることと合わせて極めて高性能なトラップと云えるがトラップ本体がどうしても大きくなり、その分放熱ロスが増加するので保温されることが望ましいといえます。バケット式トラップはフロート式に比べフェール・オープンという利点を持つが、本体が大きく空気排出能力に乏しいので、加熱装置に使用する場合には空気抜き能力に優れたバランスプレッシャー式トラップと併設する事が必要となるのでフロートと比べてどうしてもコストアップになりやすくなります。
ドレンの再蒸発(フラッシュ)蒸気で閉弁するディスク式トラップは、蒸気漏れがなくまた本体がコンパクトなので放熱ロスが少ないが、ドレン排出が断続的なので連続的にドレンを排出することが必要な熱交換器に最適とは云えないのです。個々のトラップの放熱ロス比較については表1を参照してください。

測定条件:蒸気圧力1.0MPag, 蒸気単価 2.5円/kg, 稼働時間 8,000時間/年
※放熱係数:ディスク式トラップの放熱量を1とした場合の倍数
固定オリフィス式は負荷変動に対応できる自動弁機構が無いので、負荷変動が少ない24時間稼働のラインにおいて使用できる可能性はあるが空気排出能力が乏しいので、始動時間が長くなったり加熱装置に使用すると熱効率が低下するリスクがあります。

適正なトラップの選定は、その用途や使用する装置あるいは設置箇所、蒸気圧力などによって異なりますが、参考のため一般的な用途に推奨されるトラップを表2に示します。

省エネルギーのポイント
スチームトラップは表1のように高圧高温水が本体内を流れるのでトラップ本体からの放熱による熱損失が大きい。したがって省エネルギーの観点からは蒸気主管まわりのトラップとしては、蒸気漏れが無くよりコンパクトなディスク式を選定することが望ましいといえます。
ただ一般的に使用されているディスク式トラップは少量の蒸気を漏らしながら閉弁するので生蒸気の損失が1.0~1.5kg/h程度あると説明しているメーカーもあります。ですが当社のディスク式トラップはISOのテスト結果でも直前の配管内に水封を維持することによって、蒸気漏れがほとんど無く放熱ロスも少ないことから比較的省エネルギー性が高いトラップとして報告されています。
(※参考文献:ISO7841)
蒸気に関するWebマガジン No.90
※こちらの記事はスチームトラップマネジメント 第3回です。
第1回はこちらから、第2回はこちらからご覧ください。今回はケーススタディをご紹介します。
スチームトラップの見直しによる制御弁の故障解消
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課題︓空調機の加湿ラインの制御弁が頻繁に故障し漏水が発生していてテナントからクレームが来ていた
課題を分解していくと ▶制御弁前でのドレン除去ができておらず制御弁が浸食されていた。特に加湿ラインでは制御弁が閉弁している時間も長く溜まりやすかった ▶スチームトラップを設置するスペースが各フロアに確保できていない ▶作業スペースが限られており作業も難しい ▶高層ビルでトラップを設置する場合に騒音を気にする必要がある ▶オフィスビルであるため工事は土日しかできないため工期がかかってしまう ▶今後のメンテナンスも容易に実施できる必要がある
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提案︓スチームトラップステーションの設置による蒸気システムからのドレン除去
課題を分解すると ▶温調式トラップを設置することによって静かなドレン排出 ▶ドレンポケットの設置によるドレン流入ラインの確保 ▶トラップステーションの設置 ▷スペースを1/3 以下に抑える ▷現場での補器類の接続作業を排除 ▷工期を1/2 以下に短縮 ▷メンテナンス時は配管の取り外しを行わずにトラップ交換が可能
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成果︓制御弁の漏れが解決し、将来的なリスクを抑えるため全フロアで実施し管理することでテナントへよりよい環境を提供できることができるようになった。 |

スチームトラップステーション STS17.2
蒸気に関するWebマガジン No.89
※こちらの記事はスチームトラップマネジメント第2回です。第1回はこちらからご覧ください。
スチームトラップがドレンを排出するのに重要なことは分かったと思います。しかしスチームトラップはスチームトラップに到達したドレンしか排出できません、なのでドレンが発生してからしっかりとスチームトラップに到達するように配管を設計してあげることが非常に大切です。トラップはある程度なにを使っても許容できる場合がありますが、スチームトラップまでの道のりは確実にしておかないとドレン排出はできません。

スチームトラップの排出後
ドレンがスチームトラップを出た後はどうなるかご存じですか?圧力次第ではありますがドレンの一部は蒸気になります。この蒸気をフラッシュ蒸気と呼ぶのですが質量では一部でも体積とすると90%以上が蒸気になります。そのためドレン配管は水配管ではなく蒸気配管として設計する必要があります。また既存のドレン主管につなぐ場合には満水の可能性もありますのでウォータハンマ―の可能性もあります。少しでもリスクを低減するためにディフューザを設置し影響を少なくしましょう。

省エネトラップはどのトラップ?
省エネトラップという言葉を時々聞くことはありませんか?厳密にいうと多少の省エネ性はあるのですがここでの答えは省エネトラップは存在しません。なぜならスチームトラップはドレンを排出するだけです。『ドレンをつくることはしない』=『エネルギーを浪費しない』のでそもそも省エネ性を考えるのは難しいですね。細かな省エネ性に関してはDr Steamの『スチームトラップとして必要な機能』をご覧ください。
ちなみにオリフィストラップやラビリンストラップという種類のトラップがあります。これらは全閉ができないタイプのトラップです。(ISOではトラップには定義されない)これらは常に一定負荷を条件に選定しますので条件によっては蒸気を漏らすことを前提に設計します。なので省エネとは真逆と立ち位置にいるトラップです。もともとメンテナンスができない船で故障しないことを優先として設計されて使用されていたトラップですね。
トラップマネジメントの省エネルギー
省エネトラップは基本的に存在しないといいましたが、トラップマネジメントでは省エネができます。トラップが正常稼働時にはトラップは蒸気を漏らしませんが、故障時は蒸気を漏らします。なのでいかに故障したスチームトラップを早く修理するかがトラップマネジメントの課題です。その上でポイントは2つです。
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❶ 故障の早期発見
定期的なトラップ点検やトラップ故障の自動検知(STAPS)等でなるべく早く発見する。
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❷トラップ交換の早期実施
スチームトラップステーションでは配管の取り外しをする必要がないため5分程度でのトラップ交換が可能です。また遮断弁を二重にしブローダウンバルブを設置することによって、蒸気通気中の交換が可能になるため定期修繕のタイミングまでの蒸気ロスを防ぐことができます。
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第3回はスチームトラップの見直しによる制御弁の故障解消のケーススタディをご紹介します!

全4回 各1時間
動画視聴版で受講可能です!
録画した講義動画で隙間時間に受講可能。90日間、何度でも閲覧可能です。
受講対象者

蒸気の初心者
受講後にできること
●蒸気が加熱媒体として使用されているのかを説明できる。
●蒸気システムに必要な主要機器を理解している。
受講内容
『蒸気とは?』をテーマに、蒸気そのものを学びます。
●なぜ蒸気が加熱媒体として広く使われているのか
●蒸気機器とその役割
時間割
① Why Steam?
② 蒸気の基本特性
③ 蒸気システムの構成機器(プロセス1次側)
④ 蒸気システムの構成機器(プロセス2次側)
各1時間
講義時間/受講料
4時間
5,000円+税
テキストはPDFデータでお渡しいたします。
お申し込み
下記申込用紙にご記入の上、Infojp@spiraxsarco.comまでご連絡もしくFAXください。
2025申し込み用紙_定例セミナーCB.pdf
注記
・全4回の録画ビデオを視聴いただく受講形式です。
・質問は電話、メールにて対応可能です。
・受講開始より90日間、お好きな時間に繰り返し閲覧いただけます。
その他のコース

オンラインで省エネコースも受講可能です。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
レベルチェックテスト
Entryコースを受講しようか迷われている方へ、レベルチェックテストをご用意しました。
ぜひこちらで確認してみてください!(無記名ですのでお気軽にどうぞ)

蒸気に関するWebマガジン No.72
衛生的な環境で使用するためのバランスプレッシャー式スチームトラップ

スパイラックス・サーコの BT6-B は医薬品、バイオテクノロジー、食品加工業界などの衛生環境で使用するために特別に開発されたドレンの残留を最小限に抑えるハイスペックのサニタリーバランスプレッシャー式温調スチームトラップです。
標準エレメントはドレンの温度変化に非常に敏感で、通常0.25MPag 未満の圧力において蒸気飽和温度から2° C 以下のサブクールで開くように設計されています。
独自の設計と充実した機能により、BT6-B は現在市販されている他のモデルを上回る効果と経済性を備えています。

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こんなお客様に

主な機能と利点
- 高品質の表面仕上げとFDA およびUSPクラスVI 準拠のシールを備えたステンレス鋼
微生物増殖のリスクが最小限で耐食性が高い。
BT6-BLはドレン負荷が低い主排水用途に適しています。 <span class="caps">BT6-BH は高ドレンおよび冷水処理能力を備えた大容量トラップです。
これにより起動時のバックアップが最小限に抑えられます。
優れたカプセル性能は、ドレンが蒸気飽和温度に近い温度で排出されることを意味します。 これは過冷却を最小限に抑えることができることを意味します。
トラップは誤って簡単に分解することはできません。これはオペレーターを保護するための重要な安全機能です。
- ASME-BPEの推奨事項を超えたオリフィス方向に15°鋭角をつけた自己排水設計
完全に自己排出であることを保証し微生物増殖のリスクを低減します。
作動原理
資料
こちらからPDFを参照、ダウンロードが可能です。
最新号の季刊誌 SteamLeaderではスチームトラップマネジメントの特集をご覧いただけます。
ぜひこちらもご覧ください。
蒸気に関するWebマガジン No.67

実験用に透明配管を作成し、スチームトラップの作動とディフューザーの騒音削減効果の実験を行いました。 配管に取り付けられたトラップの二次側がどうなっているかご存知ですか?スチームトラップの作動音が気になる個所はありませんか? ぜひご覧ください。
スチームトラップの構造
下記ページでスチームトラップをタイプ別に解説しています。
温調式:バランスプレッシャー式、バイメタル式
機械式:フロート式、逆バケット式
熱力学式:ディスク式など
カタログはこちらでご覧いただけます。
ディフューザの詳細
こちらからご覧いただけます。

スチームラボ 実験リクエストを受付中
こんな実験があったら見てみたい!現場では保温材に巻かれて見えないけど、○○が気になるなど・・
ご意見、ご感想もよろしくお願いします。
https://forms.gle/NoNxKH9iban8PtXc9
ジョイントラシリーズ対応の多機能ディスクトラップ新登場!
・2MPaラインで安定した稼働を実現
・組み合わせ12種類
・ジョイントラシリーズ初の空気障害対応オプション

・このようなお客様にお勧め!

スパイラックス・サーコのジョイントラシリーズ


製品の詳細
UTD26型ディスク式スチームトラップの技術仕様書はこちらから閲覧、ダウンロードが可能です。
取扱説明書はこちらから。