温水をつくる-瞬間給湯編- 第2回
蒸気に関するWebマガジン No.65
温水をつくる-瞬間給湯編- 第1回はこちらでお読みいただけます。
ポンプ
給湯システムにおいてポンプが持つ役割は大きく、ポンプの有無によって制御方法が変わってしまいます。総括伝熱係数(U値)の変動を抑える、伝熱面積(A値)の変動をなくす、加熱温度(ΔT)の変動を無くすの全てに当てはまります。
まず、前提としてですが100℃以下の温水製造のアプリケーションでは高確率でスチームトラップを使用した場合にはストールと呼ばれる熱交換器内の加熱側が真空になってしまい、うまくドレンを排出できなくなる現象が起きます。下記条件では被加熱流量に変化がなくとも入口温度が5℃から30℃に上がった時点で真空になってしまっていることがわかります。
スチームトラップの場合
ΔT:被加熱側の温度を下げて真空状態になります。次にドレンが熱交換器内部に滞留することによって加熱流体が2層になります。ドレンと蒸気のU値とそれぞれのA値が変化し、バランスをとろうとします。
プレッシャーポンプの場合
ΔT:被加熱側の温度を下げて真空状態になります。真空蒸気のままドレン排出を行うことができるので、変動値はΔTのみになります。
次回は熱交換器について解説いたします。