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Why Steam? #02

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WhySteam#02.jpg蒸気に関するWebマガジン No.4

◆なぜ蒸気をつかうのでしょう?

Why Steam? #01に引き続き、なぜエネルギーとして蒸気を使うのかについて解説します。ポイントは全部で6つあります。

ポイント1、効率的で経済的!

ポイント2、輸送が容易で経済的!

については、Why Steam? #01をご覧ください。

ポイント3◆制御が容易!

飽和蒸気の圧力と温度はお互いに関連しているので、エネルギー投入量は飽和蒸気圧力を制御することで容易に制御できます。精度の高い空圧式アクチュエータとポジショナーを用い、2方弁を使用することで制御と施工を簡素化することができます。

  蒸気 温水 熱媒油
制御 二方弁で容易 三方弁で複雑 三方弁で複雑
温度変更 容易 困難 困難

ポイント4◆プロセスのエネルギー伝達が容易

蒸気は熱伝達に優れています。蒸気は均一な温度で、機器内に充満し、一定の温度で凝縮・熱伝達するので、伝熱面における温度ムラはありません。また、その伝熱性の高さから、必要とされる伝熱面積が小さくなり、装置の小型化が可能になります。

  蒸気 温水 熱媒油
熱伝達率 高い 中程度 低い

ポイント5◆運用管理が容易

蒸気制御機器を管理システムと組み合わせ、使用するエネルギーの効率化を最大限にすることができます。蒸気設備は、適切な施工・運用・メンテナンスを行えば長期的な使用が可能になります。

TFA型流量計_製品カタログ201706.sxs.jpg

ポイント6◆幅広い用途

蒸気は熱媒体だけでなく、殺菌性があるので食品、医薬品、病院でも使用されます。製油所、クリーニング、製紙、繊維、醸造、ゴム、ビル衛生・空調など様々な業種で使用されており、製品加温、乾燥、蒸留、加硫、加湿、温水製造など、様々なプロセスで使用されています。

  蒸気 温水 熱媒油
用途 広い 限定的 非常に限定的
火災の危険性 なし なし あり

蒸気を効率的にプロセスで使用することと同時に、今まで捨てていたエネルギー(排熱)であるフラッシュ蒸気ドレンがもつエネルギーをも最大限回収できれば、さらなるコスト削減、環境への対応が実現できます。

次回は『蒸気の乾き度』について解説します。ぜひご覧ください。

蒸気の乾き度

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蒸気に関するWebマガジン No.5

SteamDry Condition_sxs01.jpg

◆飽和蒸気表の蒸気って・・

飽和蒸気表に記されている物性値は、全て乾き度100%の飽和蒸気が保有してる値ってご存知でしたか?

乾き度100%の蒸気は、工場内どこにもありません。飽和蒸気を発生させるボイラ出口の最も高い値でも乾き度99%が上限です。

その後、配管内を流れながら放熱によってさらに乾き度が低下していくので、実際に工場内に存在する蒸気のほとんどが水分を含んでいることになります。

◆蒸気内の水分が曲者!

配管内.jpg

この水分が蒸気配管のウォーターハンマーや配管、配管部材の浸食を促進する原因となって、メンテナンス費用を増加させます。また、湿り蒸気は単位質量あたりのエンタルピーが飽和蒸気より少ないので、同じ生産を行うためにより多くの蒸気を消費することになります。

◆蒸気の乾き度を高く維持するメリット

蒸気の乾き度を高く維持すると、次のような効果があります。

①ウォーターハンマーの軽減

②配管・配管部材の浸食によるトラブル軽減

③蒸気消費量の削減

◆乾き度を高く維持する方法は?

①ボイラ圧力を高く維持し、キャリーオーバーを制限する。

⇒キャリーオーバーとは、ボイラ内部の圧力低下により、ボイラ内水面から水滴が蒸気主管に運ばれていく現象のことです。詳しくは『蒸気質の低下原因』でも解説しています。

②高圧移送、低圧利用により減圧効果による乾き度の改善を有効利用する。

⇒減圧効果とは、減圧弁で減圧する場合に絞り断熱膨張と呼ばれる、減圧による飽和温度が下がっても、ドレンを再蒸発させて乾き度が向上する効果のことです。

③配管口径を正しく選定し、フランジや機器を含めて保温する。

⇒必要な蒸気を運ぶ、適切な配管を選定し、適切な保温を施すことにより、放熱を減らすことができ乾き度を保ちます。

④適切な箇所にスチームトラップを設置し、配管内のドレンを排出する。

⇒スチームトラップにより配管内から素早くドレンを除去することにより、乾き度を保ちます。

⑤セパレーターの設置により浮遊ドレンを配管内から除去する。

⇒スチームトラップで取りきれない蒸気内の浮遊ドレンをセパレーターのバッフル(板)に当てることによって取り除きます。


製品の品質と蒸気の純度』もぜひご覧ください。

次回はスチームトラップについてのお話しです。

スチームトラップとは