無圧廃蒸気の効率利用 第1回
蒸気に関するWebマガジン No.46
廃蒸気の効率利用
今回のテーマとなっている無圧廃蒸気は、大きく分けると次の2 つに分類されます。
1. 無圧の状態で大気に放出されている蒸気
2. 蒸射殺菌工程で、製品に触れた蒸気が大気に放出されている排気
今回は、まず『無圧の状態で大気に放出されている蒸気』すなわち、汚染されていない廃蒸気の回収事例から、考えてみることにしましょう。
ここでは、『無圧フラッシュ蒸気』と呼ぶことにします。
無圧フラッシュ蒸気は、蒸気の質の点においてボイラ蒸気と何ら変わりません。温水を製造し利用する事で、廃エネルギーを有効利用する事ができるのです。
但し、この廃熱回収を実現するには、無圧の廃蒸気を熱媒体とした高効率の熱交換器が必要になります。それが、シェル&プレート型熱交換器のベントコンデンサーです。
もっとも簡単に見分ける例では、ドレンタンクやボイラ給水タンクの排気筒から白い蒸気(無圧フラッシュ蒸気) がもくもくと出ていれば、回収の対象と考えられます。
後は、この無圧フラッシュ量の定量化と温水の使用先を考えることが、実際に必要なアクションになるのです。
ベントコンデンサーには廃蒸気量に応じて3つの容量があり、それぞれ250 kg/h, 500 kg/h, 1000 kg/h となっています。
一番小さなタイプでも時間当たり約2 ton/h の温水を製造する能力があります。プレート部の材質はSUS316L なので、水だけではなく、製品の予熱としても利用できるので、最適な廃熱回収の方法を検討することができる機器です。
ベントコンデンサーの詳細につきましては、担当営業にご連絡いただくか、Infojp@spiraxsarco.comまでお問い合わせください。
次回は、『 蒸射殺菌工程で、製品に触れた蒸気が大気に放出されている排気』について解説いたします。