制御のお話し 第四回
蒸気に関するWebマガジン No.28
◆制御のお話し 第四回
第3回では時間比例制御についてお話ししました。
アクチュエーター とは?
バルブを開けたり、閉めたりする機構を備えた機器がアクチュエーターです。
バルブを流れる流体(加熱であれば蒸気、冷却であれば冷水)の量を増減させて温度をコントロールしようとするのがアクチュエーターの役割です。
大きく分けると2つに大別されます。
1つは自力式と呼ばれる自己完結型のタイプです。次回(第五回)で紹介する、電気や空気という他からの駆動源を必要としないので、据え付けも比較的容易になるため、手軽に使えるというメリットがあります。
設定温度に対して±1℃以内というような、制御精度を厳しく要求されるアプリケーションには使用できませんが、例として"80℃位を維持できれば良い"というようなアプリケーションであれば、適しています。
電機を使わないので、防爆エリアや屋外でも使用できるというメリットもあります。
今回は、この自力式を紹介します。(写真:KA33型温調弁+SA121型アクチュエーター)
作動内容を簡単に説明しましょう。
上図のピンク色の部分には、油が封入されています。
タンクの加熱を例にしてみます。
温度感知部内の油が、加熱されていくと膨張していきます。膨張によってプッシュロッドが伸び、バルブ(赤い部分)が上方向に移動することでバルブが閉じていきます。
逆にタンク内の水温が下がれば、油が冷えて体積が減少するので、プッシュロッドもその分下がってバルブが開くのです。
アクチュエーターは、油の膨張及び収縮による単純な作動しかできないので、バルブの方で加熱または冷却ができるように工夫しています。
自力式アクチュエーターの動きをまとめると、このようになります。
次回は、「他力式アクチュエーター」についてお話しします。