蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
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蒸気の制御 第1回

蒸気に関するWebマガジン No.57

蒸気の制御 第1回

蒸気制御においていろいろな制御がありますが、どの場合でも原則として"制御弁を流れる蒸気量を調整し、その結果、温度、圧力、流量などを必要な条件に整えること"を蒸気制御と呼びます。

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蒸気流量の制御

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上の図は、水の分子がバルブを通れる量が少なかったため、同じ体積の蒸気に存在している水の分子量が減ったことを表しています。何らかの要因(制御など)があり、比重が変化したと言えます。
質量「kg」を体積「m3」で割ったものが、比重「kg/m3」です。 (分子量は通常「 mol 」で表しますが、質量と比例の関係にあるので、ここでは「 kg 」の単位で考えてみましょう) 比重が変わると温度と圧力も連動して変わります。つまり蒸気流量を制御するということは、ある一定空間内の比重を変化させ、その結果として温度、圧力も制御するということです。

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バルブ特性

バルブにはKv(Cv)値と呼ばれる流体の流れやすさを示す値があります。これはバルブの開度に応じて、変化します。このKv値が開度に対してどのように変化するかによって、大きくバルブ特性が3つに分類されます。その3つは「ファストオープニング」「リニア」「イコールパーセンテージ」とよばれます。

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Kv値と蒸気流量

Kv値は蒸気の流れやすさを示しますが、バルブ開度に対してKv値と蒸気流量が同じように変化するわけではありません。蒸気流量はKv値と前後の圧力差によって決められます。つまり蒸気流量が少なくなるにつれて、二次側の圧力が下がり圧力差が大きくなることによって蒸気流量が流れやすくなることになります。

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蒸気の制御では比例制御がよく採用されます。蒸気流量がバルブ開度に対して比例関係にあることが制御を行いやすいからです。蒸気の制御では多くの場合が、「イコールパーセンテージ」の特性が採用されます。これは「イコールパーセンテージ」が蒸気流量とバルブ開度の関係が正比例に近く制御がしやすいからです。

次回はトリムとシートオプションについて解説いたします。