蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
First for Steam Solutions

減圧弁とタービン等による発電後の減圧蒸気の違い

ブログタイトルDr.S1_05.jpg蒸気に関するWebマガジン No.33

◆どっちがお得?

最近「減圧弁よりも蒸気タービン等で発電しながら減圧した方が得である」という意見を耳にします。

確かに、減圧弁による減圧と同じ量・質の低圧蒸気が得られ、発電もできるなら、間違いなく得でしょう。

businessman_question.pngエンタルピー.jpg

しかし、エネルギー保存の法則をご存知でしょうか?これは、熱力学第一法則とも呼ばれ、エネルギーを別のエネルギーに変換した場合でもそのエネルギー総量は変化しないという物理学における基本的な法則の一つです。

つまり、減圧前の蒸気が保有しているエネルギーと減圧後のエネルギーは等価であることを意味します。

減圧弁の場合、絞り断熱膨張と呼ばれ、減圧により飽和温度が下がっても、ドレンを再蒸発させて乾き度が向上することにより等価を保ちます。(乾き飽和蒸気の場合は、過熱蒸気に変化します)これは減圧効果と呼ばれ、減圧された蒸気は乾き度の高い蒸気に変化し、エネルギー損失が無いことを意味します。

一方、タービン等による減圧は、蒸気エネルギーでタービンを廻し電気を取り出している訳ですから、その分、減圧後の蒸気の保有しているエンタルピーは減少します。つまり、タービンから取り出せるのは減圧された湿り蒸気で、エンタルピーは減少しているのです。

例えば、減圧弁により乾き度が100%の飽和蒸気と、タービン後の乾き度80%の湿り蒸気、ともに圧力0.2MPaGで取りだし、熱交換器に供給する場合、タービン後の蒸気の方が25%多く蒸気を供給しないと、同じ仕事ができないことを意味します。

結果的に、発電に消費した分、ボイラで蒸気を多く発生させ、プラントに供給しないといけなくなるのです。

エンタルピー2.jpg