蒸気に関するWebマガジン|スパイラックス・サーコ
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First for Steam Solutions

蒸気の制御 CaseStudy

蒸気に関するWebマガジン No.61

蒸気の制御 CaseStudy

第1回はこちら。蒸気流量の制御、バルブ特性、Kv値と蒸気流量について

第2回はこちら。トリムとシートオプションについて。

第3回はこちら。コントロールオプションについて。

第4回はこちら。蒸気プロセスと制御について。

今回は上記4回を踏まえて蒸気の制御のCaseStudyを2つ、ご紹介します。

1.自動送気システム

◇顧客課題

週末に工場を止めるため、月曜日の朝の始動にはマニュアル操作でボイラヘッダーのバルブを操作、慎重に行っていてもウォータハンマーが発生していた。

◆ご提案内容

蒸気の自動送気システムを導入、カレンダーに連動し「通常運転」「待機運転」「暖機運転」を設定することによって、蒸気の送気システムを自動化しました。工場の稼働前に自動的に運転することによって、 ウォーターハンマーを軽減します。
また自動化になったため月曜日の早朝の仕事が約1時間短縮されました。「待機運転」によって、週中でも使用していなかった夜間の数時間の蒸気圧力を下げることができ、省エネも実現されます。

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2.自力式減圧弁から空圧式制御弁への移行

◇顧客課題

高圧ヘッダー(0.7MPa)から低圧ヘッダー(0.2MPa) に自力式減圧弁を利用している。蒸気の使用量が少なくなると低圧ヘッダーの安全弁が作動し、そのたびにアラームがなるため現場確認が必要。調整も必要な場合が多い。設計当時から20 年以上たっているため、減圧弁自体の選定も現状と即していない。

◆ご提案内容

自力式減圧弁では蒸気流量によって、多少の圧力変動が起こるドゥループとよばれる圧力誤差があります。そこで、空圧式制御弁を設置することによって常に低圧ヘッダーの圧力を0.15MPa ±0.02MPa に制御します。安全弁の無駄な作動がなくなるので、アラームも減り、監視が容易になりました。また細かな調整、無理な運転がなくなると、損耗も少なくなります。メンテナンス頻度も約1/3 程度に抑えることができました。 

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いかがでしたでしょうか。蒸気の制御を改善したい場合や、何をしたらよいかわからない場合などお気軽にお問い合わせください。