用語解説 キャビテーション
蒸気アプリケーションにおいてのキャビテーションとは
沸点に近い水がポンプに流入すると、ポンプインペラーの目の部分で蒸発し、蒸気になりやすくなります。このような現象が起こった場合、圧力が沸点以下まで低下した際に蒸気泡が発生します。圧力が再び上昇すると蒸気泡がはじけ、その空洞に水が急激に流入しぶつかり合います。
これが「キャビテーション」として知られる現象です。
キャビテーションは ・配管の損傷(細孔、スポンジのような外観になる) ・騒音 ・振動 ・反復的な保護層の剥離による腐食の加速 の原因になります。 |
キャビテーションには大別すると、高温水の移送時にポンプ内で発生するものと2方弁で制御した場合の圧力損失により発生するものがあります。
ポンプによるキャビテーション
キャビテーションが起こる原因
一般的に80%を超えるようなドレン回収率が極めて高いケースでは給水温度が高すぎて給水ポンプにキャビテーションが起こる場合があります。
キャビテーションの対応策
この問題を避けるには、静圧ができるだけ高くなるようポンプに可能な限りの有効吸い込みヘッド(NPSH)を確保することが不可欠です。給水タンクをボイラよりもできるだけ高い位置に設置すると、このようなヘッドの確保に大いに役立ちます。
ドレンを給水タンクへ移送する際にはスパイラックス・サーコのMFP型プレッシャーポンプの設置をお勧めします。
高温流体でもキャビテーションなし/メカニカルシール問題なしで移送でき、システムのメンテナンス費用の削減に貢献できます。
二方制御弁によるキャビテーション
キャビテーションが起こる原因
水システム用二方制御弁において下記のような場合に発生しやすくなります。
・圧力損失の大きいアプリケーション。弁座エリアの速度が大きく、局所的な圧力低下が起こるため。
・下流の圧力が液体の気化圧よりもそれほど高くない場合。これは高温の液体や下流での低圧、あるいはこれらが複合的に発生した場合に、よりキャビテーションが起こりやすい。
大口径のバルブでは流れの力が大きいため、キャビテーションによる破損の程度が大きくなりやすいため注意が必要です。
キャビテーションへの対応策
バルブにおける圧力損失や水の温度を常にキャビテーションが起こらないレベルに維持できるわけではありません。これらの状況における解決策の1つは、特にこのような問題を解消するために設計されているバルブプラグや弁座を備えたバルブの設置です。これらの内部装備集合は「耐キャビテーション」トリムに分類されています。
※スパイラックス・サーコの制御弁ではアンチ・キャビテーショントリムをオプションで選択できます。